Interview with Jean-pierre


J&H Filmsにおいて映像制作を一手に引き受けているのが、

コラージュ作家であるJean=pierre Fujii氏。

『LUGINSKY』全編を通して炸裂し続ける唯一無二のその世界観に

驚いた人は多いだろう。

日々彼の頭の中から産み落とされるアートは、無規則かつ非常識、

ストーリーに寄り添うことなく勝手に巡る。

毎日メールを交わし合う制作仲間でさえも、

未だ彼の正体をつかめずにいるが、

そんな彼が今回のインタビューでは初めていろいろと語ってくれた。

(聞き手:夏色インコ)




-『LUGINSKY』制作において苦労した点は? 

 作り始めのころは、動画制作ソフト(After Effects)を入れたばかりでまだ扱いに慣れてなかったので、

そこからだよね 。

そんなド素人のつくった映画が海外で上映されるのは奇跡としかいいようがないです。 

幻視の表現については、自分がこれまでつくり溜めてきた非現実的コラージュを

ほぼそのまま使えたので意外と楽だったんですが、難しかったのは会話部分。

実写なら役者が動いて演じてくれるところが、コラージュは動かない。

伸びきった間をどう埋めていくか悩みました。

鹿男と恋人のムシェットの(会話部分の)配置は今でも悔やんでいます。 


©️J&H Films


-これからこの映画を観る人たちのために、見どころを教えてください。

全部(本心)、といったらざっくり過ぎるので

haienaさんの江戸前文学(脚本←これが素晴らしかった).....と挙げていくことも出来ますが

ここは画づくり担当目線で。

あまり評価はされなかったんですが、硝子部屋で鹿男が銃をぶっ放す、その瞬間。

本人はよくできたと思ってます。

あと本編とは違うけど、MV風エンドロール。夏色インコさんが撮ってくれたムシェットが奇麗だ。

本編中、あすてかさんの完成度の高いドローイングを動かしたりしてますが

『LUGINSKY』で使わせてもらった絵は4年に1作できるか、できないかというものだそうです。


-ジャンさんから見たhaiena監督ってどんな人ですか?

ひとことでいえば気遣いの人。 頭は相当切れるね。

あと、メールがいつも長文だ。

長文過ぎて、こうしたらどうかという提案がいくつか書いてあるんだけど

読んでるうちに忘れちゃう自分は事務処理能力?これが悲しいほど無いというか劣ってます。

haienaさんは優しいので(本人は自らを短気というけれど)

前に言っただろうとは言わず、何度でも教えてくれます。恩人であり親友。


-個人とチームの違いは?

制作に関していえば 個人でやるのは気楽だし自由にできるのに対し、

チームは映画なら監督の意向に沿うものをつくらなければならない。

チームでやることの利点は、4人いればアイデアも4通り。

一人では思いつかないことも形にできるよね。

ご意見番インコさん(いつも俯瞰している)の意見に追いつめられることはあれど

あすてかさんの存在は自分にとって癒しです。haienaさんは自分の暴走を止めてくれます。


©️J&H Films


-どんな子どもでしたか? 

働く車が好きな少年でした。 幼少のころはダンプカーのおもちゃで1日遊んでいられた。

冬の屋外で一人でですよ(笑)

近所に建設会社があって(今もある)本物のダンプカーを見に行っていたら

運転席に座らせてもらいご満悦。

クラスメイトが遊びに来ると居留守を使ったことがある。 一人でいることが好きだったんです。


-コラージュを始めたのはいつから?

2012年、40歳からはじめました。プログラマーやってる同級生は後進の指導とかやってる年代です。一般の人がセカンドキャリアを考え始めるときに、そうだ、アートやろうってなっちゃった。

趣味じゃなくガチンコで。


-映画にコラージュを使うメリットについて教えてください。

MVでは時々見かけるけど、映画を全編コラージュ仕立てでっていうのは

あまり聞いたことがないのでまず物珍しさだけでも話題になる(なったか?)。

また非現実的世界を表現するには実写よりも簡単に出来る。

誰が言ったかデスクトップ・ムービーは少人数でも製作が可能。



©️J&H Films


-これからチャレンジしたいことは何ですか

3DCGできたらいいなと思ってソフトなどを調べてたけど

習得するのに相当時間がかかりそうだし

また一人で抱え込むと大変なことになるんじゃないかと。

誰かできる人いませんか?(笑)


-自分に影響を与えた人物や作品は?

子供のころは祖母かな。 ジャン=ピエール少年に絵を描かせては、

これはという作品を新聞社に送り付けていた。

何度か地方紙の片隅に掲載された(ような気がします)。

コラージュを始めるようになって伊藤桂司さんのユートピアっぽいコラージュ作品に触れ

かなり影響されました。


-PFF受賞に続き、香港国際映画祭に招待された感想をどうぞ。

あれよあれよって感じです。 運がいいというか、奇跡だね。

未熟な画なので、恥ずかしいという思いと、誇らしい思いが綯交ぜになってます。

初海外、初飛行機の夢はコロナでお預けだよ。


-最近ハマってることは何ですか?

心のよりどころをゲッターズ飯田からメンタリストDaiGOに鞍替えしまして

ちょくちょくYouTube観てます。



©️Jean=pierre Fujii



『LUGINSKY』は香港国際映画祭のサイトにて

以下の期間中オンライン配信されます。

HKIFF45 ONLINE

4月9日 0:00AM

0コメント

  • 1000 / 1000